皆さんは教育にAIを活用することについてどう思いますか?
AIはもっともな感じですぐに回答を出してくれます。そのためその情報を信用したくなってしまうのですが、実はそこにリスクが隠れています。
この記事で紹介している動画は、ITビジネスアナリスト深田萌絵さんが今のレベルのAIを教育に使うことのリスクを説明しているものになります。
ここで注目すべき点はまず、彼女とChatGPTが回答する、AIの教育に使うことのリスクの説明に、生身の人間とコンピュータで温度差がみられることです。これは当たり前といえばそれまでですが、温度差があれば、受け取り側のインパクトが大きく違ってくるのです。当然、行動も変わってきますよね。
なお、以下は、ChatGPTに対して、条件を限定せずに質問をしたときの回答になります。
今のレベルのAIを教育に使うと子供の脳が壊れますか
現在のレベルのAIを教育に活用することで、子どもの脳が直接的に「壊れる」というような物理的・医学的な問題が起こる可能性は極めて低いと考えられます。ただし、AIの使い方やその影響については慎重に検討する必要があります。
懸念点
- 思考力や創造力の低下
AIを多用することで、子どもが自分で考える力や問題解決能力を鍛える機会が減少する可能性があります。例えば、宿題の答えをAIに頼るだけでは、学習の本質が失われることがあります。- 依存のリスク
子どもがAIに過度に依存するようになると、自律性や自己管理能力が育ちにくくなるかもしれません。- 情報の偏りや誤情報
AIが生成する情報が必ずしも正確とは限らないため、間違った情報を基に学んでしまうリスクがあります。情報の真偽を判断する力を育てる指導が必要です。- 社会性の低下
AIとの対話が増え、人との対話や協働の機会が減ると、コミュニケーション能力や共感力が発達しにくくなる可能性があります。ポジティブな活用法
一方で、AIを適切に活用すれば、教育現場で非常に大きなメリットを生むことも可能です。
- 個別最適化された学習: 子どもの理解度に合わせた指導が可能になる。
- 反復練習や苦手克服の補助: AIが子どもの苦手な部分を特定し、それを補強する教材を提供できる。
- 先生の負担軽減: 授業準備や宿題の採点などの業務をAIが支援することで、教師がより子どもと向き合う時間を増やせる。
注意すべきこと
- AIは補助ツールと位置づける
子どもがAIに頼りすぎることなく、自分自身で学ぶ力を育むための補助として使うべきです。- バランスの取れた学習環境
AIを利用する時間と、人間同士の交流やアナログな学習の時間をバランスよく配分することが重要です。- デジタルリテラシー教育
子どもがAIを正しく活用し、情報の真偽を見極める力を養う教育が必要です。AIは子どもの学びを補完する強力なツールですが、その使い方次第で、ポジティブな影響もネガティブな影響も生み出します。適切なルールとガイドラインを設けながら活用することで、子どもの成長をサポートすることができます。
ChatGPTは、条件を限定せずに会話(指示)すると、聞いていない(指示していない)ことまで回答したり、中立的な感じで答えてくれますが、機械的に一般論をフワッと紹介するだけなので、8+1の公式で条件を限定したり、何度もやりとりをして具体的に掘り起こしていく必要があります。
※ChatGPTに指示する文章や言葉は、専門用語でプロンプト(prompt)と言います。
その一方で、8+1の公式を用いて指示すると、このようになります。
#前提条件
- タイトル:AI教育活用リスク分析プロンプト
- 依頼者条件:教育関係者または研究者で、AIの教育利用に関心がある方。
- 前提知識:AI技術と教育心理学の基本知識を有すること。
- 目的と目標:AIの教育利用による子供の脳への影響をリスクの観点から明らかにすること。
#実行指示
{AIの使用方法}を踏まえて、AIが子供の発達に与える潜在的な認知影響を、分析してください。教育技術の観点から、健康的な教育環境を維持するために{リスクの具体例}を調査して、最低5つ教えてください。専門用語があれば、それを明記し、専門家でない中学生でもわかるような補足説明も入れてください。
{出力フォーマット}を参考にして出力してください。
AIの使用方法 ="
ChatGPT
"
リスクの具体例 ="
脳の発達や機能の低下
"
出力フォーマット ="
## AI使用による教育影響レポート
### AIの使用方法
- 使用方法: [具体的な使用方法の説明]
### リスクの具体例
- 具体例1: [リスクの詳細説明]
- 具体例2: [リスクの詳細説明]
- 具体例3: [リスクの詳細説明]
### 総合評価
- 結論: [全体的な評価や意見]
"
スタイルとトーン =
科学的で思慮深いトーン
#補足:
指示の再確認は不要です。
結論やまとめは不要です。
自己評価は不要です。
{出力フォーマット}のフォーマット形式を厳守してくだい。
ChatGPTの回答は以下の通りです。
AI使用による教育影響レポート
AIの使用方法
- 使用方法: ChatGPTを使用して、生徒の質問への答えや個別学習のサポートを提供し、教科内容の補足や学習計画の作成に活用する。
リスクの具体例
- 具体例1: 依存症のリスク
- 説明: AIを多用することで、子供がAIに頼りすぎてしまい、自分で考える力が弱まる可能性があります。これを「認知依存」と呼びます。例えば、すぐにAIに質問をする癖がつくと、自分で調べたり、考えたりする能力が十分に発達しない場合があります。
- 補足: 「認知依存」とは、問題解決や意思決定において他者(ここではAI)に頼りすぎることで、自律的な思考力が低下することです。
- 具体例2: 注意力の低下
- 説明: 子供がAIを使った教育ツールに触れる時間が長くなると、注意力が分散しやすくなる可能性があります。AIによる即時のフィードバックに慣れると、忍耐力や持続的な注意力が損なわれるリスクがあります。
- 補足: 注意力とは、一つの物事に集中する力です。長期間鍛えないと、集中できる時間が短くなり、勉強や仕事の効率に影響を与えることがあります。
- 具体例3: 社会性の発達への影響
- 説明: AIを介した学習が増えると、人間同士の直接的なコミュニケーションの機会が減り、社会性や共感能力の発達が妨げられる可能性があります。特に、小グループでの活動が重要な年齢では、対人スキルの習得が不十分になる可能性があります。
- 補足: 社会性とは、人間関係を築き、維持するためのスキルの総称です。これは、子供の成長期における重要な能力です。
- 具体例4: 情報過多によるストレス
- 説明: AIを利用すると、大量の情報を迅速に取得できますが、これが逆に子供にとってストレスになる場合があります。情報を処理する力が未熟な子供には、「情報洪水」とも呼ばれる問題が生じることがあります。
- 補足: 情報洪水とは、あまりにも多くの情報に圧倒され、必要な情報を選び取れなくなる状態を指します。
- 具体例5: 脳の可塑性への影響
- 説明: 子供の脳は柔軟で、新しい刺激に適応しやすい状態(これを「神経可塑性」といいます)にあります。しかし、AIが提供する刺激が単調であったり、不自然なものに偏ると、脳の成長に偏りが生じる可能性があります。
- 補足: 神経可塑性とは、経験や学習によって脳が構造的・機能的に変化する能力です。子供時代はこの可塑性が高い時期であり、多様な刺激が重要です。
総合評価
- 結論: [全体的な評価や意見]
(総合評価は、今回はありませんでした。)
いかがでしょうか。
具体的に指示することで、こちらが知りたい情報、もしくはそれに近い情報をもらえますね。
温度差までは埋められませんが、情報収集の質を高めることまでは可能です。
ただし、YouTube動画でも説明していますが、ChatGPTの回答(出力)は、必ずしも正しいとは限りません。
最終的に、利用する人間が判断する必要がありますから、子どもの教育ツールとしてメインで使うことには大きなリスクがあります。
そのため、ビジネスにおける情報収集や英語学習のサポートなどはChatGPTでも良いと思いますが、なかにはきちんと書籍を読んで調べたほうが良いものもあるので、必ずしも正しいものではない。とだけ、認識しておく必要があります。
とはいえ、生成AIはたしかに便利ではありますので、何はともあれとにかく触ってみて、きちんと特徴やリスクをおさえながら、賢く利用していきましょう。
【外部リンク】
ChatGPT公式
https://chatgpt.com/